『会社四季報プロ500』が注目した「夏号」有望11テーマ

年4回発行の『会社四季報』と併せて、東洋経済では、より個別の銘柄情報に軸足を置いた『会社四季報プロ500』を発売している。足元の人気銘柄や今後の有望銘柄を中心に編集部が毎回500銘柄をチョイスし、銘柄習性や株価見通しを解説する。

同誌の「ウリ」は、毎回設定する「注目テーマ」と、その関連銘柄から厳選した「本命50銘柄」だ。会社四季報オンラインでは有料会員限定で、7月2日から10日間にわたり1日5銘柄ずつ配信していく。

6月17日発売の『会社四季報プロ500』(2022年夏号)が注目した、「11の相場テーマ」は以下のとおりだ(詳細については各テーマをクリック)。

状況変化に応じた11テーマの活用法

歴史的な転換期の最中にあるのか──。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに大きく動いた世界情勢。

資源大国であるロシアに対する西側諸国の制裁により、資源エネルギー問題も急浮上する。世界的なインフレ懸念の台頭で、欧米では金融引き締めが急ピッチで進行。

新型コロナによる行動制限、物流や製造の混乱の影響も残り、外部環境に応じて短期的な物色の矛先が大きく変わる難しい相場が続いている。

こうした環境下では、状況に応じて投資戦略を柔軟に見直すことが求められる。

考えられる今後のシナリオとともに、今号で取り上げている11テーマの活用法を紹介したい。

以下に紹介するテーマ記事を閲覧するためには、有料会員への加入が必要になります。
不安定な相場環境で魅力が増す高配当銘柄
まず、先行きが不透明な中での投資先選別の拠り所となるのが業績だ。厳しい環境下での最高益連続更新、前期の苦境を乗り越えてV字回復する「業績リベンジ」銘柄などを取り上げているのが①好業績。また、高い利回りが下値を支える②高配当銘柄も、不安定な相場環境では魅力が増す。業績、配当の下振れは懸念材料だが、連続で増配している株主還元に積極的な銘柄には安心感がある。

5期平均増収率10%以上の2000年以降上場銘柄を対象に、連続2桁増益などの銘柄をリストアップしたのが③高成長期待だ。米国の金融引き締め観測を嫌気し、昨年後半から大きく調整したグロース銘柄。しかし、米国でインフレ傾向の改善、過度の金融引き締めによる景気減速が意識されれば、FRB(米連邦準備制度理事会)の引き締めペースが鈍化するという思惑も広がりやすい。その際は物色の矛先が、再びグロース株に戻る展開も考えられる。

④グローバル新体制では、資源高や米国の金利上昇、円安といった、足元の世界情勢の変化を材料視する銘柄を掲載。地政学リスクの高まりに伴い、防衛や情報セキュリティの重要性も増している。一方、新型コロナの感染状況が改善すれば、コト消費や外食、GoTo再開など⑤リオープン(経済再開)銘柄が動意づく。岸田政権が人数制限付きながら決定した外国人観光客の受け入れ再開方針により、インバウンド関連銘柄にも思惑が向かっている。

デジタル時代のキーワードとなる「DX&メタバース」
⑥グリーンで取り上げているのは、自動車のEV化や新エネルギーの水素・アンモニア、洋上風力発電など、中長期的なメガトレンドである脱炭素、環境意識向上の潮流に乗る銘柄だ。また、7月に予定される参議院選挙を前に、株式市場で注目を集めそうなのが⑦政策・選挙で取り上げた国策銘柄。岸田政権の目玉政策でもある経済安全保障で重要物資に指定されている半導体、レアアースなどの関連銘柄もリストアップしている。

デジタル時代のキーワードとなるのが⑧DX&メタバース。コロナ禍を契機に加速するDXは、待ったなしの状況。ネット上の仮想空間、メタバースには商機を求めて多くの企業が参入を表明している。そして、世界のマーケットで大きな存在感を示すESG投資。社会全体の利益を重視しながら企業価値の向上を目指す企業に資金を振り向けるという動きだ。⑨社会課題解決に取り組む企業に資金が向かう可能性もある。

最後に、22年にロケット打ち上げが予定される月面ビジネスや、活用が広がるロボット、半導体の3次元積層など、⑩新技術の動向もチェックしよう。3年後に迫った大阪万博、サウジ政府ファンドの投資でも注目が集まるゲームなど、⑪大化け期待のテーマも目白押しだ。